リノベーションで生まれた快適な住まい「心和むレトロモダンな戸建て」

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レトロモダンな戸建てリノベーション, 安井正/クラフトサイエンス 安井正/クラフトサイエンス Estudios y oficinas rústicas
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近年では中古物件を買ってリノベーションを施し、古きものを蘇らせ、快適な住まいを叶える人々が増えています。ロケーションは都心でも田舎であってもその土地の環境の中で培われた歴史によって、本来気づかれない古き建物の価値を十分に見い出すことが可能です。唯一、新築にはなせない事といえば長年その土地で踏ん張ってきた建物の深みによる温かさと心和む空間、リノベーションによって生まれた新たな付加価値ではないでしょうか。都内の住宅街、こちらの戸建ては近隣との距離も密接したケヤキの大木のある奥細い道の途中にあります。今回はクラフトサイエンスの手がけたリノベーションによって変貌を遂げた心和むレトロモダンな空間を紹介します。

薪ストーブのある広く温かい玄関土間

壁面、天井いっぱいに仕上げられたしっくい壁が迎える、コントラストが印象的な玄関土間。電球が照らすしっくい壁は質感を強調させ、温かみをもたらしてくれます。土間は家の中でも最も低い床であり、地面から伝わる冷たさや人の出入りが激しい室です。しかし土間のコーナーに据えられた小ぶりの薪ストーブがじわりと空間を温めてくれます。この土間でご近所の方と薪ストーブを囲めば会話も尽きないでしょう。

リノベーション前の外観

茶色のタイル仕上げが印象的な構えの住宅。どことなく昭和の典型的なスタイルを思わせる外観です。

軒の出のない二階バルコニーは雨や直射日光など外的要素のコントロールが難しいでしょう。アルミの手すり格子からは通りゆく人の視線を遮る事はなく、直ぐそばに設置された電信柱と電線には圧迫感さえも感じてしまいます。

リノベーション後の外観

細道を通って帰宅する、そんな視線から望むリノベーション後の外観は白と深茶色木材で玄関土間と統一された仕上げになっています。取り払われた玄関柵や付け替えられたバルコニー柵は昭和の重苦しいデザインをスッキリと一新させています。目に飛び込む木製バルコニーの升目格子は外部からの視線を柔らかく濁しています。

太鼓梁としっくい壁が生きた明るい室

外部開口を広げ、天井仕上げを取り払った室は風通しが良く、あらわになった既存の太鼓梁と天井裏まで伸びたしっくい仕上げによって視覚的にも広さを感じる空間です。そして、バルコニー手すりのデザインによって大きく明るさを取り入れながらも視線を気にすることなく過ごすことが可能です。

アンティークな質感、古材を使った書斎コーナー

広々とした二階室の片隅に設けられた書斎コーナー。椅子に座って手を伸ばせば、壁面棚へ容易に届く程のスペースです。あえて用いられた古材の質感から、どういうわけか小物職人の作業場思わせる雰囲気があり、味わい深い空間が演出されています。ここにも古さを活かす技が施されています。

スペースの活用、キッチンの見せる収納

もちろん隠すだけが収納ではありません。アイデア次第で窓枠の奥行スペースだって収納に出来てしまうんです。ステンレス製の丸パイプを取り付ければ均等にバランスよく収められた調理器具は窓からの採光によってシルエットが可愛らしい模様のよう。リノベーションによって既存の外観、室、小さなスペースまで住まう快適さを大きく変貌させることが可能なのです。

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