岩や石が生み出す美しい庭

Kiohde Hayai Kiohde Hayai
四季の家, 山田高志建築設計事務所 山田高志建築設計事務所 Jardines asiáticos
Loading admin actions …

庭と言えば何を思い浮かべるでしょうか。多くの人は木々が植えられた庭や、芝生が張られた庭を思い浮かべることでしょう。もちろんそれは美しい緑で庭を演出します。でも植物ばかりが重要なのではありません。岩や石垣、そして飛石なども庭を演出する重要な要素です。そこで今回は5件の石などを使った美しい庭を紹介したいと思います。

借景を生み出す庭

家の設計などを行う五藤久佳デザインオフィス有限会社が手がけたのは簡素な庭園。それは日影になりがちな場所にあるため、植物ではなく小石や岩を中心にして造られています。地面を覆うのは小石。それを背景にして小さな岩や手水鉢が配置されています。そして枯山水のような落ち着きを感じさせてくれるでしょう。何より素晴らしいのは庭を家の一部のように取り込めること。それは家の外にありますが、借景として家の中に広がりと落ち着いた雰囲気をもたらしてくれるでしょう。

季節を感じられる庭

家の設計などを行う山田高志建築設計事務所が生み出したのは季節を楽しむ庭。苔に覆われた庭に飛石が置かれています。その背景にあるのは石が積まれた堤。そして庭の裏手には木々が生い茂っています。このような緑と石の堤が生み出すのは美しい風景。それらは整えられすぎていないため、人工的な雰囲気を感じさせることはありません。木々の色、苔に上に散る落ち葉、霜が張った苔など、季節の移ろいを感じさせてくれます。家の中や縁側からこのような庭を眺めることができるため、季節を感じながら生活を送ることができるでしょう。

バラを楽しむための庭

庭の造園を手がける有限会社ガオー生み出したのはバラを楽しむための庭。小さな岩に縁取られた道の周りには木々や花が植えられています。道に設置されているのは細い金属で作られたアーチ。バラはそれを伝って大きくなるようにアーチの根本に植えられています。バラが成長すれば、アーチはバラの花で覆われることに。艶やかなバラや、それを伝わせるアーチ、そして小さな岩を使った道は、家の庭がまるでヨーロッパの庭園であるかのように感じさせてくれるでしょう。

趣を感じさせる裏庭

住宅の庭などの造園を行う「にわいろSTYLE」が手がけたのは裏庭。家の北側にある隣家に挟まれた庭は1日の大部分が日影となってしまうだけでなく、細長い形になっているとても扱いにくい場所でした。普通であれば、忘れ去られてしまうような空間ですが、和風の庭園が造られています。隣家との境界に取り付けられたのは竹垣。それを背景に雑木が植えられています。木々の間に置かれているのは手水鉢。そして様々な形の石を使った飛石が配置されています。ここにあるのは裏庭とは思わせない落ち着いた空間。デットスペースになりがちな裏庭を趣を感じさせる場所へと変化させています。

心に落ち着きを生む庭

庭園デザイナーであり禅僧でもある枡野俊明が手がけたのはホテルの日本庭園。庭を「心の表現の場」として考えるデザイナーは、ホテルの庭に特別な空間を作り出しています。石垣に縁取られた道の奥に見えるのは、彫刻作品のような巨大な岩やコンクリートの塊。それは植物によって覆われて、石と植物の美しいコントラストを生み出しています。このような庭で考えられたのは「閑坐聴松風」という禅語。それは心が落ち着かなければ気付かぬことも、澄み切った心でいれば気付くことができるということを意味しています。そんな禅の考えを取り込んだ庭園では、たとえ都会の中にあっても心に落ち着きをもたらし、日常では見落としてしまうことを気付かせてくれるでしょう。

¿Necesitás ayuda con tu proyecto?
¡Contactanos!

Destacados de nuestra revista