自然と寄り添い、利用する。21世紀のエコスタイル The Green Studio

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The Green Studio, Fraher and Findlay Fraher and Findlay Estudios y oficinas modernos
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ロンドンを拠点に活躍するFraher Archtectsはプライベートな住宅から家具、商業的な建築物まで幅広く活動している、デザインに重きを置いた建築スタジオだ。本日は彼らのプロジェクトの中からThe Green Studioと名付けられた一軒を紹介したい。

外観に隠されたクリエイティビティ

ロンドンの南東に位置するこちらの住宅兼オフィスは閑静な住宅地の中にありながら一風変わった外観である。塀によって建物自体がほぼ隠れていることからかなりの低層建築と見受けられる。見え隠れする植物からも空き地なのかとうっかり見過ごしてしまいそうだ。

こちらが入り口。

Fraher Archtectsのコンセプト

中に入るとその明るさに驚くことだろう。この建物は「クリエイティブなデザインでありながら歴史と自然環境に調和したユニークなデザインを提供する」というFraher Archtectsの主義が反映された創造的なワークスペースであり、屋上の庭を中心に設計されている。

周囲の建物への影響を最小限に抑えながら、日光についてのあらゆること(日照時間や季節毎の角度、気温が最も高くなるポイント等等)について詳細に分析することで、庭と内部空間に最も効果的・効率的に光を取り込むことのできるこの形状が生まれたのだ。

自然の恩恵を最大限利用する技術

その点で最も重要だった採光部、窓にはハイパフォーマンスな高機能性ガラスを採用し、建物が呼吸するように自然と空気の流れができる換気システムと高性能な断熱材を全体に設置することで、夏場のクーラーや寒さの厳しいイギリスの冬にヒーターさえ不要な快適な空間を作り上げた。またキッチンとバスルームで使用するお湯は、屋上に設置された大規模な太陽光発電システムと蓄熱システムによってまかなわれている。

「狭小オフィス」も快適に

ワークスペースは階段横の、奥に長いうなぎの寝床スタイル。

部屋の奥でもこの明るさ。狭いオフィスは圧迫感によるストレスを感じがちだが、光の明るさと角度によって落ち着いたリラックスできる空間に演出することは可能なのだ。敷地面積に悩まされがちな日本の都市部の住宅にも応用できるテクニックではないだろうか。

二階部分には壁の代わりに落下事故防止のワイヤーを設置することで日光を遮らず、また発色の良い赤がアイキャッチにもなっている。

21世紀、本当に必要なスタイルとは

屋上緑化と採光技術で自然環境とサイクルをうまく利用して快適な空間を作り、太陽光発電によるクリーンなエネルギーを使用する。この建物がGreen Studioと名付けられた所以だ。自然の恩恵を最大限利用して最小限のエネルギーで暮らすこと。様々な環境問題が叫ばれる今日、それが21世紀に最も必要とされるスタイルなのではないだろうか。

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