つながりが生む、小さくとも広がりのある家

Michi Koba Michi Koba
桑名の家 / House in Kuwana, 市原忍建築設計事務所 / Shinobu Ichihara Architects 市原忍建築設計事務所 / Shinobu Ichihara Architects Estudios y oficinas modernos
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物理的な面積は小さくとも、空間に広がりを持たせてその心理的な大きさを変えてしまう、そんな住まいを今回はご紹介します。市原忍建築設計事務所が手掛けたこちらの住宅は、建坪72平米弱、延べ床面積も101平米と決して広いとは言えません。ただ空間のつながり方や開口を工夫することで窮屈さを感じさせない住まいとなっています。

中庭のある家

屋根の形と大きな窓が特徴的なミニマルな外観です。手前の塀に囲まれた部分は中庭となっています。間取りをコンパクトに抑えることで工費を抑え、そこにプライバシーの保たれた比較的大きな中庭を設けることでアウトドアリビングを確保しています。内部空間の拡張として、または内部空間と外部空間のあいだの空間としての中庭は、生活を豊かにしてくれる装置です。子どもたちが走り回れる場所、ひなたぼっこのできる場所、友人を呼んでバーベキューができる場所・・・その使い方は無限大です。

​玄関に梯子!?

玄関を入ると現れるこちらの梯子。実はdenと名付けられたワークスペースへとつながる唯一のアプローチなのです。秘密の基地への入口のような遊び心あるアイディアですね。そのすぐ奥の開口がLDKスペースへの入口となっています。あえてドアを設けず、空間のつながりを感じることができるようになっています。廊下の床はモルタル仕上げで、外部空間、中庭とのつながりを意識させます。

モノトーンでまとめられたミニマルな内部空間

こちらは2階へ続く階段への入口です。あえて設けた敷居/段差がオープンな空間の心理的ゾーニングに役立っています。ミニマルな黒の階段が白とグレーを基調とした内部空間にアクセントを加えています。

​明るく開かれたLDK

こちらがLDKをキッチン側から望んだ様子です。中庭に向かって大きく開かれた窓、さらに吹き抜け上部の高窓からたっぷり光が入り込みます。モダンなモルタル仕上げと、あたたかみのある木素材がコントラストをなし、シンプルながらもメリハリのある空間となっています。

​家族が思い思いに過ごす場所

こちらはリビングスペース横にあるnicheと名付けられたゾーン。一段下がった高さにあるこちらのスペースは、床材に木が用いられ、地べたに座って本を読んだりくつろぐことができる場所です。ここからの眺めで、リビング、2階、玄関から続く廊下、niche・・・さまざまな床レベルにあるそれぞれ異なる性質を持った空間同士がゆるやかにつながっていることがよくわかります。凹凸のあるそれぞれの空間がつながるあることで厚みと広がりがある空間が生まれるのです。

​家族の気配を感じられるワークスペース

梯子を上ってたどり着くdenは屋根裏空間のような静かで落ち着いた雰囲気に仕上がっています。2面に広々とした造作デスクが設けられ、使い勝手も抜群です。梯子からしか出入りのできないプライぺートな空間ではありますが、吹き抜け方向には大きな開口があるため、LDKでの家族の気配を感じとることができます。

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