空間の内と外が連続する集合住宅「フラッツ5+1」

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フラッツ5+1, 西島正樹/プライム一級建築士事務所 西島正樹/プライム一級建築士事務所 Casas eclécticas
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住空間にとって自然と共存しながら、そのエネルギーを享受する器となる事が大事な要素かもしれません。太陽の流れに見合った開口や雨風を無理なく受け流せるような構造など、「真っ向から対抗するようなコントロール」ではなく流れに身を任せるようなそんな空間が永く住まう事が出来るのかもしれません。今回ご紹介するのは、お施主さんが三住戸、賃貸二戸それに加えてアトリエのある、用途に富んだ集合住宅です。株式会社プライム一級建築士事務所がお施主さんの要望を汲みとり、そして建築としてめざしたのは、「独立した落ち着き」や「室内外のつながり」でした。また、戸建住宅の特徴と、それぞれが集合したことから生まれる「大きな空間の展開」でした。本住宅のメインでもある二面の大開口は太陽の光を上手に取り込んだ空間の構成となりました。

ガラスの箱を包む様な外観

前面道路から少し見上げる目線に建つ本住宅とその外観。最低限の柱や壁で支えられた家は、白い板状のものが不規則にガラスの箱を包み込むような迫力ある風貌です。緩やかなスロープを上がって進む玄関アプローチはホテルのエントランスへ向かうような雰囲気で、少しソワソワしてしまう趣です。

連続する室内と室外

各住戸を南北に細長い形とした配置と、その隙間にテラスを緩衝として設けることにより、独立性の高い住戸が生まれました。室内から室外へとフラットな床が繋げれば、空間を一体化させたような感覚に。隣り合う二面を縦にも横にも開口として広げれば、もちろん半屋外のような開放感が大いに得られます。そして、大きく張り出す庇は、雨の日に涼しく過ごせるようにしっかりと雨水を凌ぎ、天候の移ろいや通風を存分に受け取ることが出来るでしょう。

木テラスのメイン通り

各住戸の間に伸びる通路のようなテラス、それは集合住宅の中のメイン通りのようです。各住戸とも、暖色の照明が間接的に灯り、優しくゆったりとした雰囲気です。そして、テラスの手すりのデザインはそんな連続する住戸の景観を気持ちよく見通せるスッキリとしたもの。そのスマートな手すりは木テラスがより際立つスタイリッシュさも。夕涼みには、広く気持ちのいいテラスで愛犬や家族とのんびり過ごしたいものです。

目線の違いを楽しむ空間

広いテラスに、軒の深い庇、ガラスの箱のように大開口のある住宅ながら、外部からの視線が上手に遮られていました。本室の階段を上がったところで、やっと近隣や前面道路を見通せるほどの視線が生まれます。そして改めて感じるのは木テラスの広さや、室内の開口の爽快感。前面道路よりスロープを上がってきたように、地盤との高低差によって一段と高い位置になる室は大開口を通して、近隣の生垣や植栽なども臨むことができ、様々な目線を楽しむことが可能です。

白い箱が包む内部構成

天井が高く開放的な居間を包む白い壁と白い天井、その奥にはロフトのような構成を持った木素材の内部。まるでオリジナルユニットのようにすっぽりと収まり、住空間へ温もりと心地よさを与えてくれます。大胆に開いた開口からプライベートエリアとして収まるそのユニットは、開かれた部分とのコントラストようにしっかりと住空間の機能として守ってくれているようです。

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