省エネルギー住宅にしていく家づくりとは?その基準についての基本知識

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
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省エネルギー住宅は環境や家計にやさしいだけでなく、暮らしを快適にしてくれる住まいであることから、そうした家づくりをしていきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、省エネ住宅にするには国が定める基準があり、それについてご存知ない方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、省エネルギー住宅の基準についての基本知識を紹介していきたいと思います。

省エネルギー住宅とは

省エネルギー住宅とは、冷暖房や給湯、照明といった家庭で使用されるエネルギー量を抑えられるように設計された住宅を言います。1980年頃からすでに国によって「省エネ法」が定められ、これまでに何度か改正をされながら省エネ基準が設けられてきました。現在の基準においては、「外皮の熱性能基準」と「一次エネルギー消費量基準」で住宅の省エネルギーの性能が評価されるように定められています。次からは、それぞれの基準について詳しく見ていきましょう。

外皮の熱性能基準

まず、外皮の熱性能基準は「外皮平均熱貫流率」と「冷房期の平均日射熱取得率」の2つがあります。外皮平均熱貫流率は、室内と屋外の温度差が1℃ある場合に屋根や壁、床といった住宅の外皮からどれくらいの熱量が失われるかの外皮熱損失量を、外皮の面積の合計で割った値となります。一方、冷房期の平均日射熱取得率は、屋根や壁、窓といった部分から室内に入ってくる日射強度当たりの熱量を、外皮の面積の合計で割った値となります。つまり、この2つの値で住まいの断熱性能と日射遮蔽性能を評価することになります。

一次エネルギー消費量基準

長年、外皮の熱性能基準のみで省エネルギー住宅が評価されていましたが、近年この一次エネルギー消費量基準が追加されました。これにより、それまで断熱性能といった住宅の外皮だけでなく、エコキュートや太陽光発電といった設備性能も評価に加えられ、住宅の省エネルギー性能を包括的に判断されるようになりました。一次エネルギー消費量基準というのはつまり、電気やガスといった二次エネルギーを石油や太陽光といった一次エネルギーに変換して消費量を計算することで、住宅で使用されるエネルギー量を評価しやすくしているものとなります。

地域による基準値の違い

南北に大きくまたがる日本では、南にある地域と北にある地域では気候に大きな差があります。そのため、省エネルギー住宅の基準においても、北海道から沖縄まで市町村に細かく地域区分され、それぞれの気候に合わせた省エネ基準の値が定められています。例えば、断熱性能にあたる外皮平均熱貫流率は、年中暖かい沖縄の地域では値が定められておらず、また、北海道や新潟などの寒冷地では冷房期の平均日射熱取得率の値が定められていません。省エネルギー住宅にしていく際は、是非こうした地域区分とその基準値をまず確認してみて下さい。

2020年から義務化へ

ENERGETIKhaus100® cube, FASA AG FASA AG Casas clásicas

こうした省エネ基準はこれまで義務ではなく、推奨される程度のかたちでしかありませんでした。しかし、2020年からは住宅を含むすべての建築物に省エネ基準が義務化されることになります。つまり、耐震性能などとともに、省エネ性能をクリアしていないと建物が建てられないようになっていきます。さらに将来には、すべての住宅をゼロエネルギー化していくという流れもあります。これからは、省エネルギー住宅にしていくことはますます当然の家づくりの方法となっていくでしょう。ゼロエネルギー化については、「ゼロエネハウスでつくるエネルギー消費量ゼロの家」も参考にしてみて下さい。

さらなる省エネルギー住宅への取り組み

現在の省エネ基準の先を行くさらなる省エネルギー住宅への取り組みをすでに進んでいます。住まいの高い断熱性能に加えて、高効率設備と、太陽光や風力発電などの家庭でエネルギーを創り出す創エネ設備によって省エネ基準よりもさらに住宅での消費エネルギーを少なくした「認定低炭素住宅」や、こちらのライフビスタ一級建築士事務所が手掛けた住まいのように、消費エネルギーを創エネルギーによってプラスマイナスゼロにするゼロエネルギーハウス(ZEH)といった家づくりがすでにさかんに進められています。是非そうしたさらに進んだ省エネルギー住宅も検討してみて下さい。

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